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オランダ人の話す力と内容に唖然!大使館主催の「日本語スピーチコンテスト」

  2017/01/21    



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昨日、ライデン大学の学生たちに誘われて、日本大使館主催の「日本語弁論大会(Japanese Public Speaking Contest)」に参加してきました。

このイベント、正直オランダに来て一番といえるほど最高に面白いイベントでした!

オランダ人たちが日本語のスピーチ力を競い合うことはもちろんのこと、そのスピーチの内容がとても深かったのです。(のちほど詳しく紹介します。)

入場料は誰でも無料で、イベント後に簡単なレセプションもあります。

当イベントは毎年開催されており、大使館ウェブサイトでその情報が掲載されるので、来年この時期にオランダにいらっしゃる方には是非足を運んでいただきたいものです。(大使館サイトはこちら

今回はそのイベント当日の様子について紹介していきます。
日本語スピーチコンテスト
 

日本語弁論大会の様子

 
今年で第29回目を飾るオランダの日本語弁論大会。

今回のテーマは「日本語学習から教えてもらったこと(What I learned from my Japanese language studies)」

スピーチの審判者が11名。

スピーチ登壇者は選抜選考を通過して残った25名。

この日のイベントを楽しみに足を運んだ入場者も多く、イベント会場はほぼ満員。

(下の写真は一番乗りで着いた私が会場撮影をしていた時の写真。この10分後にはほぼ全席埋まっていました)
日本語弁論大会の会場

 

年齢層もバックグラウンドも多種多様な登壇者たちが繰り広げる日本語スピーチは、聞いている日本人の私たちがついつい「お~!!」と歓声を上げてしまうほど圧倒的なものでした。

登壇者の話すトピックは人それぞれ。

「日本の音楽を学ぶ上で、「風紋」など他言語に訳すことのできない日本語そのものを学ぶことで作家の気持ちを深く理解することに役立った」と話す人や、「過去の恥ずかしがり屋だった自分が日本語学習を通じて自信を大きく持てるようになった」と話す大学生。
登壇者1

 

「漢字の成り立ちを絵にしながら覚えていった」と話す大学生や、「日本語を学ぶことで、人間だけではなく植物や動作、意志など全てのものには魂が宿っているという日本の「おのまとぺ」を学ぶことができた」と話す高校生。登壇者2

 

他にも、「個人主義のオランダにはないチームワークの大切さを学んだ」「日本語の習得にはそれに付随する態度や敬語、文化も合わせて学ぶ必要があることを知った」などなど。
登壇者3

 

実はライデン大学の生徒たちのスピーチについては、2日前のリハーサルにお邪魔して既にスピーチ内容も知っていました。

だからこそ当日本番のスピーチでは、リハーサル時よりもさらに上手になっている姿が見え、本番まで一生懸命練習し続けてきた本人たちの真剣度が鮮明に伝わりました。

緊張で手が震えたり、スピーチ後の審判者からのQ&Aにうまく答えられなかったりと、やはり100%の力は出し切れていなかったと振り返る登壇者はいましたが、それでもゼスチャーを使いながら懸命に伝える姿には勇気をもらいました。

その中でも、「日本語学習によって自分の新たな側面や価値観に気づくことができた」と話していたのは、今回のイベントにて見事優勝を飾ったライデン大学のSebastiaan

今大会の優勝者

 

彼は日本語で話す力はもちろんのこと、スピーチ後の審判からのQ&Aにも完璧に答えていた姿が印象的でした。

「日本語とオランダ語のどちらで話すかよって自分の性格が変わる」と話す彼に対して審判が「日本語で話す自分とオランダ語で話す自分のどちらが好きですか?」という質問を投げかけると、

「どちらが好きということでもなく、日本語とオランダ語を話す両面で現れてくる自分の性格の両方を重ね合わせたものが、本当の自分なのだと思います。」

と一言。

この答えに、会場騒然(笑)

日本人でさえ、なかなかこんな風には答えられなのではないでしょうか。

本当に素晴らしいと感動してしまいました。

日本語スピートコンテスト参加者集合写真







 

私が感じた2つのこと

 
登壇者たちのスピーチを通して私自身が感じたことは2つ。

一つ目は、言語学習を通して自分たちの人生や考え方に影響することがあるということ。

新しい他言語を学ぶ際、どうしても話すスキル自体の上達に目がいきがちですよね。

ですが、言語を学ぶ上で理解する必要のあるその国の文化や歴史背景、現地の人々などについて深く知ることを通して、自分の人生や考え方にも大きく影響があるのだなということを学びました。

「翻訳機があれば済む話じゃん」という人にはきっと手に入らない、他言語習得者だけが得られる何かがあるような気がしてなりません。

だからこそ、現地に住むなら現地語を学ぶという姿勢は大事なんだな~と思います。

言語習得上手なオランダ国民であるとはいえ、世界一習得が難しいと言われる日本語をここまで操る姿には驚愕です。

私もオランダ語を頑張らなきゃと、またやる気と勇気をもらいました。

 

2つ目は、日本人としての「日本に対する無知さ」。

スピーチを聞いていて思ったことは、日本語の語彙力や日本文化への理解度が、もしかしたら日本人の若者よりもはるかに優れているかもしれないということ。

文法使い分けやことわざ、日本各地の方言、歴史等、日本人の私でもすべてマスターし知り尽くしているかと聞かれれば曖昧な返事しかできないような内容をスピーチで披露していた登壇者たち。

日本が大好きで自ら時間を割いて学ぶ外国人たちに、日本語力と日本に対する知識力で劣ってしまう日本人が増加する未来はすぐ近くにあるのかもしれないと、ちょっとした危機感を感じました。

それは、日本に生まれた「日本人」として、かなり寂しい。

ちなみに登壇者たちの何人かは、「将来は日本で働きたい」と話していました。

ということは、こうした日本語や日本文化を熟知しマスターした優秀な外国人たちと日本の数少ない求人スポットを競い合うことが当たり前となる日がすぐそこまで来ているということ。

彼らはオランダ語はもちろんのこと、英語、日本語、中には中国語やフランス語も習得している言語達人。

言語力でこれだけ優位に立たれているなか、自分にはどんな力を身に付ける必要があるのか、改めて考えさせられます。

 

以上、最高に面白くていろいろと考えさせられるきっかけとなった素敵なイベントの模様をお伝えしました。

オランダ観光だけじゃ絶対手に入らない、もっと深い何かがこのイベントにはあります。

当イベント、要チェックです★





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