「新卒」で「オランダ企業」に就職が決まった中川湧太さんに、その極意をたっぷりと聞いてみた!
2017/01/21
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////※2017年1月1日より、オランダにて日本国籍者に認められていた「労働許可無しでの就労」が廃止になるとの発表あり(詳しくはこちら)////
週2回のペースで実施しているスカイプ相談。
意外と好評を頂いていて、現在は6月2週目まで予約が埋まっています。皆さまありがとうございます!
毎回いろいろなご相談を受けることがあって、相手の状況も十人十色。
そんな中、今年1月頃に相談を受けたのは、当時なんと就職活動中であった大学生。
彼の名前は、中川湧太さん。
実は彼、労働許可が必要なくなったオランダにて、自分自身で現地企業に必至にアピールし、見事入社を決めたのです!
「会社側も日本人を雇うことが初めてなので、日本人労働者としてのVISA手続きや会社と行うべき諸手続きについてアドバイスが欲しい」と彼から依頼を受け、スカイプ相談にて諸々と情報提供させて頂きました。
そんな彼は無事に居住許可を取得し、現在オランダのアムステルダムにある現地企業「Scopic社」にて働き始めています。
今月に入ってから彼が再度連絡をくれたので、一緒にお茶をしてきました。
いろいろと話を伺っているうちに、「オランダで就職活動をする方々にとても参考になる!」と感じたため、ご本人からの承諾を頂いた上でブログ記事にてシェアさせて頂くことができました(*´ω`*)
是非ご一読頂き、少しでも役立ったと思ったらイイネやシェアをして頂き、より多くの方々に読んでいただけると嬉しいです!
新卒でオランダ企業に就職した中川湧太さんの極意とは?
今回は、新卒にてオランダの現地企業に就職した中川湧太さんの極意を探るべく、9つの質問をさせて頂きました。
各タイトルの質問部分が私、それに対する回答は湧太さんが自分の言葉で答えてくれています。
それでは順番に紹介していきます。
1.経歴・就職先の会社について教えてください
私は大学在学中、アメリカ・サンフランシスコに本社を構えるbtrax社でのインターンでプログラミングスキルを学びました。
大学卒業後、VR(バーチャルリアリティ)映像作品を制作するオランダのスタートアップ、Scopic社に開発者として就職が決まり、2016年4月よりアムステルダムで働いています(ポートフォリオサイトはこちら)。

会社オフィス内にある「バーチャルリアリティ仕様の眼鏡」
2.なぜ海外での就職を目指したのですか?
まず第一に、日本での就職活動が全くうまくいかなかったことが大きな理由の一つです。
私は他の学生同様、大学3年次に就職活動を始めました。
当初は就活に対してかなりアグレッシブで何十社とエントリーしたのですが、結果的に一社も内定を頂くことができませんでした。
もともと見栄っ張りな性格だったので、「一社も内定がない奴」というレッテルを貼られてしまうことがいやで、友人と会うこも避けていくようになり、無気力のまま自宅に引きこもり、一日中ネットサーフィンをする日々を送っていました。
結局その後も就職活動を再開することはなく、完全に逃げ出してしまった形になりました。
就活から離脱してから3ヶ月ほど家に篭ってダラダラと日々を過ごしていたある日、就活時期にたまたま履歴書を送っていた、サンフランシスコに本拠地を置く会社「btrax」から、「新卒採用ではないが、半年間のインターンとして面接をしたい」というメールを頂きました。
当時内定が一つも無かった私としては、現状況を打開する最後のチャンスとして決死の思いで選考に望み、無事大学4年の秋から半年間のインターンをさせてもらえることになりました。
結果として、様々な人種、文化が入り乱れる自由闊達な土地での生活、そして刺激的な仕事があふれるbtraxで働くことを通して、徐々にインターン終了後も海外で働いていきたいという気持ちが強くなっていきました。
以上のことから、日本で再び就活をする希望を持てなかったこと、そしてbtraxでのインターンを通して海外で働くということを肌で体験し強く憧れを抱いたことで、「海外に行くしかない!」という気持ちが大きく芽生えたのだと思います。
3.具体的にどうやってオランダでの就職活動を進めましたか?
求人探しは主にインターネットを利用しました。
もともとVR (バーチャル・リアリティ)関連企業に興味があったので、「Netherlands VR companies」というような検索ワードで企業を探し、良さそうな企業を見つけると片っ端から履歴書を送っていきました。
また、実績のない私は所見のインパクトが重要だと考え、履歴書もWeb上で自作し、自分が持つ技術がアピールしやすいものを作成しました。(実際に使用した履歴書はこちら)
しかし実績のない学生の応募に眼にとめてくれる企業は少なく、たとえ返事が返ってきたとしても不採用を伝えるものばかりで面接に繋げることは出来ませんでした。
そこで、「何日から何日までアムステルダムに滞在するので面接時間を欲しい」というように実際に現地に行く体裁を装ってメールを作り直し、返事がなかった会社に数回メールを送り続けました。
その甲斐があって、結果的に3社の企業と面接の約束を取り付けることに成功しました。
面接においても、今までの実績で自分のメリットを伝えることは難しいと考え、各社に合わせてそれぞれモバイルアプリを自作して面接に望み、必死に自分のスキルをアピールしました。
結果的に現在入社した企業とは2回ほど面接をし、また様々な幸運も重なって、1週間ほどで採用のオファーを頂きました。
4.なぜ現地人ではなくご自身が採用されたと思いますか?
私の場合は、自分の持つスキルと会社が求めるスキルがタイミング良く重なったこと、そしてそのスキルにおいて現地人であることはあまり関係なかったからだと感じています。
入社先の会社では、ある程度のプログラミングスキルを持った技術者を丁度探しており、そこに私が現れたというタイミングの良さがありました。
また、技術者のような職だと営業のミーティングに顔を出すことも少なく、現地人のようにコミュニケーションを取る必要がないという部分も大きな要因だと考えます。
そして、これは働き始めてから気づいたことなのですが、オランダ人は一般的に英語もかなり上手く、ヨーロッパという土地柄もあり他国との文化的な交流が盛んなため、外国人を雇うということへの心理的な障壁が低いのではないかと感じています。
実際に私が働く会社でも、フランス、スペイン、ポルトガルなどの国から来られている方もおり、国籍やオランダ語を話せるということはあまり重要視されていないように感じます。
5.日蘭条約によるメリットは何か感じましたか?(会社との面接時・入社までのプロセス・VISA手続き等)
かなり強く感じました。
実はオランダでの就活を始める以前は、世界中の企業に履歴書を送っていたのですが、ビザのサポートが難しいということを理由に断られることが少なくありませんでした。
それに比べて、オランダでは働くために日本人がビザを取得する必要がないため、雇用主側も日本国籍者を雇うための障壁がかなり低くなるメリットはあると感じました。
働くためのビザが必要ない一方で、住むための居住ビザが必要なのですが、これについてはオランダ移民局サイトに英語表記で手続きの説明などが記載されています。
ただ、情報が様々なところに散らばっているため、私の場合は当ブログ運営者であるMariさんにスカイプ相談を依頼し、ビザの手続きや市役所での手続きにおける詳細な手順や必要書類などの情報を頂くなどのサポートをして頂きました(オランダ就職希望者に役立つ情報をnoteにまとめてます)。
そのおかげもあり、入国後の手続きなどはかなりスムーズに完了した印象です。

現在住むルームシェア物件のリビングルーム
6.語学スキルはどれくらいのレベルを会社から求められましたか?
オランダ人は英語を日常的に使うことに違和感がないからなのか、面接も含めて会社側から英語力について具体的な要求をされたことは一度もありませんでした。
また、現地人にとって英語は母国語ではないため、その分英語の間違った使い方に対しても寛容です。
オランダで必要な語学レベルとしては、(働くポジションにもよりますが、)詰まってでも自分の言いたいことを言え、聞き返してでも相手の言っていることを理解できるレベルであれば、オランダでの就職活動で充分戦えるのではないかと個人的に感じています。
7.職場や社員の雰囲気はどうですか?
かなりフランクな職場だと思います。
一応の職務時間の規定はありますが、だいたい夕方5時~6時には帰宅し始めるか、もしくは会社のゲーム機でサッカーゲームを始めています。
ちなみにサッカーゲームはかなり人気で、本当にみんなサッカーゲームしかしていない印象です!
私が最初に覚えたオランダ語は、「ポエチャ」と発音する「対決」という意味の単語であるほどです。
毎日5時ごろになると会社の至る所で「ポエチャ! ポエチャ!」と声が上がります(笑)
入社したての頃はサッカーゲームを通して他の社員の方々との距離感を縮められたので、この文化にはとても感謝しています。

「ポエチャ!」と連発しまくるオランダ人
残業については、プロジェクトの締め切り直前などはよく残業している様子が見受けられます。
ただし、前日の残業がかなり長引いたりプロジェクトが終了した次の日には昼ごろに出社することが出来たりと、出社・退社時間についてはかなり柔軟であると思います。
8.オランダでの普段の生活はどうですか?
現地生活の良い面としては、オランダではほとんどの人が英語を話せるので、英語ができれば普段の生活で苦労することがほぼ無いことが挙げられます。
また、アムステルダムという土地は街中に運河が張り巡らされており、街の景色がとても美しく毎日の通勤や移動が楽しめることも海外での生活ならではのメリットだと感じています。

現在一緒に住むルームメイトと一緒に
一方で、苦労する面も多々あります。
たとえば、政府や銀行から送られてくる公式な書類はオランダ語で書かれていることです。
また、自転車保有数世界一というお国柄、完全整備された道路上での交通規則は非常に複雑で、住み始めたばかりの私にとっては分かりにくかったことが挙げられます。
まだまだ怖い思いをしながら街中を移動していますが、慣れてしまえばオランダの街は総じてよく整備されており、苦労するよりも安全で快適に楽しめることの方が多いように感じています。

現在住むアムステルダムの部屋から見える景色
9.オランダで職探しをされる方々に何かアドバイスはありますか?
もし、オランダでの職探しに躊躇されている方がいるのであれば、日本国内において地方から東京で就職活動をしてみるような感覚であまり大きく考えないことが一番です。
履歴書を送ってみるなり何かしらのアクションを起こせば、なにか次のアクションが見えてくるような気がしています。
以上となります!
オランダにて働き始めた湧太さんから私自身が学んだことは多く、これからオランダやその他海外での就職を目指す方々にも参考になっていれば幸いです。
海外における就職では、やはりスキルと経験がモノを言いますね。
もはや、英語レベルが高い低いどうだこうだってやってる場合じゃないのです!!
湧太さん、貴重なお時間と情報をありがとございました(^_^)/~
★中川湧太さん
ポートフォリオサイト:http://nakas.me/works/
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